鍋島緞通
三百年の歴史と伝統が息づく
約340年前、古賀清右衛門が中国から緞通の技術を習得して織ったのが、日本最古の綿緞通といわれる鍋島緞通です。昔ながらの堅型織機を使い、経糸、緯糸、織込糸ともに上質の木綿糸を用いた、高温多湿な日本の気候にふさわしいこの敷物は、一目一目手堅く織りこんでいて、時を経て使い込むほどに味わいを増す手作りの工芸品です。安心堂では、伝統を受け継ぎながら常に新しい作品づくりに挑戦する、鍋島町の手織り工房の鍋島緞通をご紹介しています。
鍋島緞通の歴史
江戸時代初期、佐賀郡扇町の農家に生まれた古賀清右衛門が長崎で中国人から緞通の技術を教わり「扇町毛もうせん氈」として織ったのが、日本最古の綿緞通と言われる鍋島緞通の発祥です。
扇町毛氈は精巧な作りで画趣に富んでいたことから、佐賀藩3 代目藩主鍋島綱茂が生産を奨励し御用品としました。当時、庶民への売買を禁じていましたが、明治時代以降はその禁が解かれ、最盛期には十数の織元が生まれるほど栄えました。
鍋島緞通は伝統的に桜や松の木製織機を使い、経糸と緯糸ともに上質の木綿糸で一目一目を手で織り上げる工芸品です。伝統的な「蟹牡丹」柄を守り、優雅な趣きを今も誇っています。