【九谷焼】北村和義
九谷竹隆窯に生まれ、石川県九谷焼技術研修所を経て作家活動を始めた。九谷伝統技法を用いながらも、その作品は独創性に溢れ、近年ではコンテンポラリーアートとして名立たる有名企業からのコラボレーションの依頼を受け作品を制作し、テレビで情報番組などにも取り上げられる。
【赤絵細描】米久和彦
赤絵細描は江戸後期に創始され、その後、九谷といえば赤絵といわれるほどの隆盛を誇っていた。際立って細かい筆致と根気が必要な「赤絵細描」の技法を習得しその系譜を引き継ぐ貴重な作家として大変注目されている。その精緻で精華な作品は特に女性の人気が高い。
【丹波】清水剛
兵庫県丹波篠山市で、主に穴窯・塩窯などの薪窯を用いた伝統的な丹波焼を制作する。一方で器の表面に施す装飾技法の一つ「猫掻紋」を用いた「刻紋シリーズ」など現代的なやきものも制作している。土と焼成、形と装飾にそれぞれこだわった2タイプの作品を持ち味に活動している。
【ガラス工芸】谷口榮
黒木イズムの継承者として、一人の作家として、谷口の手により生まれる作品には、独自の感性と共に黒木国昭の彩(いろ)が宿る。膨大な同じ時間を過ごした二人だけが共有する技術や感性が現代アートの装いとの相乗効果による新たなガラスアートを生みだすこととなった。
【情景を刻む】辻聡彦
白磁をキャンパスに独自の表現方法で作陶する作家。陶芸界でも異色の線刻技法により、土の「めくれ」の強弱で立体感と奥行を生み出し、有田の原点である白磁と呉須に調和する線刻で独特の世界を作り上げている。また、希望に応じた風景作品もオーダーで作陶している。
【釉裏銀彩】中田一於
「釉裏銀彩」とは、焼成した素地に銀箔を切り、膠(にかわ)で貼りつけ、透明釉をかけて焼成する技法。金箔を貼りつける「釉裏金彩」に対して「銀箔の楚々とした輝きは、現代の生活に溶け込むのでは」との思いから、九谷焼では酸化による変質を嫌って使うことのなかった銀箔を用いることに挑んだ。
【真珠光彩】中田博士
あえてシンプルな白磁の作品を制作。ろくろ成形から生み出される美しい自然の流れを最大限に引きだしたフォルムを表現。透明釉や雲母を使い分けた白磁は、流麗なフォルムと清楚な輝きを放つ美しい釉調が融合し、比類なき独自の「真珠光彩」の世界を築いている。
【備前】山下譲治
バンクーバーのアートスクールで現代アートを学んだ後、現人間国宝の伊勢崎淳に師事し、造形的作品伝統的作品ともに山下の世界を創造している。ろくろ挽きの後、削って作る流麗な稜線や鮮やかな緋襷は、若い作家に多大な影響を与え、現代備前の救世主と呼ばれ、注目を集めている。
【純プラチナ彩】山本一洋
伝統的な技法を守りつつも、プラチナ特有の光沢を再現するという「純プラチナ彩」の技法をはじめて開発した陶芸家。その素晴らしい色使いは国内のみならず海外でも高く評価され、2011年にはACC(スペインカタルニア陶芸家協会)名誉会員に選任されるなど、従来の磁器のイメージを大きく変えている。